
さすがに今日は雨休みです。
燈籠の笠も濡れます。
ここのところM氏に手伝ってもらっていました。
この夏、都内のある住宅街の交差点に面した開業医の大きなヤマモモに乗っていて、休憩のために下りてくるとそこにM氏がはにかんだ笑顔で立っていました。
突然でしたので驚きました。
11年ぶりの再会でした。
彼は植木屋の親方ですが、生花の師範としても仕事をしています。
花を立てに近くの屋敷に行く途中、交差点に面したヤマモモにのって枝を下ろしているのに目がいき、それが私だと気が付いてわざわざ車を停めて私に声をかけてくれたのです。
そのときは懐かしさで立ち話をしたのですが、その後、この夏から秋にかけて、忙しいときに彼の手を借りて私はなんとか仕事をすすめてきました。
彼との最初の出会いについて、そしてその後の邂逅について話し始めると長い話になります。
最近彼と仕事をし、休憩の合間にいろいろと話をするのは楽しい時間でした。
彼は20数年前東京農大時代に植木屋さんのアルバイトから植木、庭の世界にはいり、その後、自転車での日本一周の旅の途中、悲しみを暖炉で燃やし続けている・海岸で私たちは偶然に初めて会いました。
その後また庭に戻ってきた彼としばらく一緒に庭で仕事をする時間を持ったのは15年くらい前のことです。
いまでは生花の仕事もして庭にも入っているようで、庭は千代田区0番地をメインにしています。
かつて私も一緒にそこで木にのり、芝の目に土をなで、冬の青い空につかみきれない溜め息やサリンの警報をきいたのでした。
休憩しながらいろいろな話をします。
美化されて編集された本や映像のうすぎたないこと。そうしたものを読み、談合と編集されたアナウンスに疑問をもたない造景現場の職人たち。根拠の知れない茶花という語、それを振り回す人達・・などなど・・・。
こうして懐かしんで話をしているそのときでも静寂に包まれた時間が流れている場所があるという想いを共有しています。
ケンケンパーで渡りたくなるような島々、命と死の息使い、地平線や原野、氷河の地形がのこる山々・・苔むして時間が積もる樹林・・。
そしてそんな場所のほうが実は圧倒的に多いのだということ。
そんな思いの共有。
そんな話をして、黙ってお互いにお互いの気配を感じさせないような仕事を仕上げて薄暗くなりかけた頃に別れます。
彼に・・花の僧のことを話しました。
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