庭の時間 200511

庭の時間


黄葉】
角を曲がると向こうに大きなフサアカシアが枝を広げているのが見える。
この大きなフサアカシアが目印。
早く着きすぎたのでこの大きなフサアカシアの下で待機。

フサアカシア・・ミモザ。

ここ数年は銀葉のミモザをアチコチでみかけるが、このフサアカシアは銀葉ではなく薄い緑の葉をサヨサヨと風になびかせてる。
枝先の節々に花の芽。
建築設計をしている旦那が私の顔をみてニコリとした。
近づいてきて、今年からこのミモザの花枝を銀座の花屋さんが買い取ってくれることになった・・とニコニコしている。
植えて20年経つこの木の幹の太さは一抱えもある。
成長が早いのだ。
しかもほとんど不要な枝だけ外す剪定をして育てているので誠に枝枝の広がりが見事だ。

・・とはいっても今日からの仕事はこのフサアカシアのある家の向かいの家。
昨年はじめて入った庭で、初めて入った昨年、ここの奥さんが銀杏の黄葉が良くない木、だといった。
見ると葉がびっしりと繁っていて、枝間に陽が差し込めなくなっている。
亡くなった旦那さんがこの大きな銀杏にのって裸に剪定していたのだという。
そこで枝を均等に残し不定枝の発生を抑え葉の発生成分を分散させた。
そうしたら今年は木全体に柔らかな葉が黄金に輝いた。
これからは年々もっと素直な柔らかな黄葉に輝くようになると思う。
黄葉

[2005/11/30 21:41] 庭にて | コメント(1) | トラックバック(0)






鯉】
まだ朝があけきらない時間に家をでた。
道はシンとして静か。
夜に散ったと思われる桜の秋葉が道に残っているのを見て土曜だと思い出した。
多摩川の輝く水面を見て都内に向かう街道に入ると、急に交通量が増え、11月の末、と今更ながらに思う。

都内の木々も秋色で空も青い。

チョウセンゴヨウマツに鋏を入れると冷たいものが頬にあたった。
その背景のモッコクの葉の輝きや椎の木の葉の濃さ、横枝の張り出した走りを強調しながら東京の冬の陽射しを庭に取り込んでいく。

土曜ということもあり今日は旦那さんが顔をだした。
鯉道楽の旦那さん。
この庭の管理を預かって10年経つ。
1M以上もの深さのある池の鯉も大きくなった。60センチもの色とりどり。
旦那さんは池にかかる石橋のたもとで大きな水温計を池から引っ張り出し12度。とつぶやいて少しエサをあげるか・・な・・。と独り言。

そんな様子をモミジの葉をしごきながら見る。

この池に2人落ちた。
一人はこのモミジの枝が折れて。
もう一人は発生した枝葉を片付けて石橋を渡る時。

!っと声にならないような声を発して落ちた。そのときの光景を思い出したら、笑いが止まらなくなった。
見てはいけないようなものを見てしまった私。
泣き言は云えなく変に強がったり、開き直ったりもできない落ち人。
両手で口を塞ぎ、向かいの公園のトイレに駆け込んで堪えていた笑いを爆発させたいような気分だったこと。

そんなことを思い出したら本当に笑い出してしまった。

帰り道、車のルームミラーを見たら自分の顔。
目の下に黒い線のようなもの。
擦っても取れなかった。
しばらく考えながら車を走らせた。

やっとわかった。
チョウセンゴヨウマツを挟んでいた時に顔にあたった冷たいもの。
松脂だ。


鯉

[2005/11/26 20:37] 庭にて | コメント(1) | トラックバック(0)






11.21(月)】
注文していたカメラが届いたこともあり、今日は完全OFF。
色々試してみようとカメラぶら下げて散歩した。

canon kiss

[2005/11/21 18:20] 雑記 | コメント(6) | トラックバック(1)






侘び】
北側の庭。
レモン色の柚子の実が垂れるその根元に群生しているリュウノヒゲ。
そのリュウノヒゲに暖かな陽が斜に入る時間になると庭の主が珈琲やら茶やらソフトケーキやら煎餅をテラスのテーブルに出して私に声を掛けてくれる。目の前には百日紅。

そして、この庭にくるのを楽しみと感じさせてくれる早咲きの侘び。

おちょこ形でほのかな薄桃色。

051118a.jpg



・・もうそんな時間ですか?

いつのまにやら寒くなったけど、しばらくはいい天気が続きそう・・と庭の主。

なんにも云わないしなんにも起きない。風はとまったままだ。
それでも桜の落ち葉がカラカラいいながら車の下に転がった。

椿の季節がはじまった。
なんにも云わないし、なんにも起きない。

・・・・・・

注文していたデジカメの一眼レフが今夜届くことになっている。

珍しく目が開いている夜。

[2005/11/18 19:48] 庭にて | コメント(1) | トラックバック(0)






卒塔婆】
つい今さっき眼が覚めた。
最初はなんでこんなところで横になっているのか、時間がいつなのかよくわからなかった。

今夕仕事から戻ってから少し眠りたいと横になった。30分だけでいいからと横になった。

3時間眠っていた。

・・・・・・・・・・・・・
お寺での仕事。
昼に近い午前、寺で法要があり時間どおりに喪服姿のひとたちがやってきた。
私はモミジのなかで枝が駐車場に落ちないように気にしていた。
みんな足を引きずるように本堂のほうに歩いていく。
立ち止まって私とモミジのほうをしばらく突っ立ってみている人もいる。

徒長し紅くなった枝をはずすと緑の葉の枝があらわれる。黄色に変わり始めた葉を手でひくと緑の葉があらわれた。
大きな木々に囲まれた寺の境内は風がなくあたたかい。それでもモミジの葉はそよぐ。

法要がすんだのか喪服姿のひとたちがでてきた。入っていくときに比べると足が軽くなったようだ。幾人かのひとたちが秋色に変わり始めたモミジを見上げてなにか独り言のようなことを言った。そして墓地に向かっていく。一人の男が卒塔婆をもっている。

そうか住職はこのための卒塔婆をかいていたんだ。私は住職が畳替えのさなか、書院の廊下で卒塔婆に文字を書いているのを樹のうえから見ていたのだ。

夕方、副住職がやってきて、明日の夕方、葬儀が執り行われることを私に説明した。昨日から聞いていることだったので私はだまって頷いた。
目立たないところの手入れをすることにしている。
本堂、駐車場、墓地への通路は綺麗にしておかなくてはならない。

寺では曜日にかかわらず、突然こうして葬儀の予定がはいる。寺で葬儀をすることが減ったはいえこうして突然に葬儀が執り行われる。

お施餓鬼などでは下足番やら駐車場の整理などで手伝いをすることもあるが葬儀、法要となると私らは目立たないところで目立たないように刃物を使う。

・・・

やっと眼が覚めてきた。
あと30分で日が変わる時間だというのに。





[2005/11/13 23:36] 庭にて | コメント(2) | トラックバック(0)






里芋】
朝が冷え込むようになった
腹掛けをしてその上に薄いフリースを着込んで仕事を始めている。
今朝のTVでは北海道が真冬のような雪景色になっているのを繰り返し伝えている。

今日も畳屋が行ったりきたりしているのが見える。
若奥さんが出てきたので、百畳もの畳替え昨日で済んだんじゃないんですか?と聞くと、まだもう少しかかる予定。9月から毎日畳屋さんがきて、本堂、庫裏、客殿と畳換えしてきてて全部で400枚以上は換えているのよ。だそうだ。
100枚換えるというのは書院だけの話で、昨日私に話してくれた畳屋の職人は畳をかついでヨロヨロしながら運んでいる。

庭木の手入れもやっと境内に近づいてきた。振り返ると屋敷の庭は私が下ろしてきた枝と風が運んだ落ち葉で歩く隙も無いくらいになっている。

今年の紅葉はいつもの年に比べてイマイチ垢抜けない。
木に乗って、三脚に乗って鋏を使っていると飽きてきて境内の様子を観にフラリ。
いつもは黄金色とも赤茶色とも、エモイエヌ色になるヒメシャラの葉もなんとなく野暮ったい色だ。

毎年手を掛けすぎないように手をいれてきたこの木もやっとこの木らしい姿になってきた。

暗くなりかけた夕方、帰り仕度をしていると若奥さんが小走りでやってきて、檀家さんからもらった里芋を使ってつくったんだけど・・ホカホカしてるから・・。といって、タッパーを手渡された。

お礼をいうとまた小走りで戻る途中ふりむいて、きちんと毎日食べてんの?きちんと食べなくちゃだめよ・・。といって寒そうに見えなくなった。

ヒメシャラ

[2005/11/10 21:23] 庭にて | コメント(3) | トラックバック(0)






夕月】
秋色

今朝寺に滑り込むと昨日の風に吹かれて落ちた葉が駐車場や境内一面を覆っていた。
お寺の若奥さんは腰に手を当て空を見上げた後に車から降りた私のほうを見て「綺麗なものなんだけど、この山の木の葉を全部掃除するのかと思うと・・。一気に綺麗さっぱり降ってくれないものかしらねぇ・・。」といって笑った。

方丈の屋敷の庭の松に乗っていると書院のほうがなにやら騒がしい。
休憩時間に近寄ってみると書院の畳を車に積むために外に持ち出している。
畳換えをするのだ。
100枚以上の畳を入れ替えるのだそうだ。
畳屋は「寺の畳は重くて、まいったね・・」と笑う。
「ホリベヤスベイにでも仕切ってもらわないと大変だね。」と私がいうと畳屋はキョトンという顔をした。

まぁ・・いいか。

この寺は東京郊外にあって、大学も多くアパート・マンションも多いので人の入れ替わりが多い。そのたびに畳を入れ替えるので畳屋も仕事が多いそうだ。
それでも最近のアパートやマンションで使われる畳というのは僕らが昔からしっている畳ではなく、いわば板の型枠にゴザを張ったような畳(のようなもの)だから、軽い。この寺で使うような昔ながらの畳100枚以上も入れ替えるなどというのは数年に一回くらいだから畳屋には重い仕事には違いないのかもしれない。

寺の奥さんによると昔は、畳の入れ替えとなると職人が境内に作業場をこしらえて畳を作ったのだそうだが、今は畳屋も機械縫いだからそんな光景も無くなったのだそうだ。

それでもこの寺では畳の上では掃除機ではなく箒で掃除しているから畳の傷みもすくなく長持ちするのだそうだ。

大きな木々に囲まれた寺での仕事。
畳の持ち出しが済んだ午後に大きなモッコクに乗り書院を見下ろすと廊下で、方丈が卒塔婆に文字を書いている。
屋敷では縁側で奥さんが編み物をしているのが見える。
いつもなにやら忙しい寺だが今日の午後に限っては穏やかで静かな庭の時間。

陽が傾き始めたころ色付いたケヤキの向こうに夕月。空はまだ青い。

夕月

[2005/11/09 21:13] 庭にて | コメント(5) | トラックバック(0)






炉開き】
仕事を済ませてまだなんとか陽があるうちに、お客さんの寺へ向かう。
先日から電話をもらっていた。そろそろ手入れに入らなくてはいけないところなのでその前に簡単な打合せをしようということだろうと、向かった。
薄暗くなり始めた境内にはいり本堂前を通り、庫裏へ。
ふと傍らの木に目が行く。
炉開きだ。
炉開き


今年この炉開きの花は9月にみた。
知人が早すぎる炉開きの花を見つけて送ってくれた。
庭では10月に入ってからみた。

お寺の庭ではいつものことだが、墓参の檀家さんが境内を通り過ぎるとき、この花に目をとめ、一枝ちぎったり、一枝挟んだりしている。

炉開き。

そんな季節になった。

誰もいない家に帰るころには外は真っ暗で家にはいると電話のディスプレイだけが意味ありげに点滅している。

それぞれ聞き覚えのある声で手入れの依頼をしてくれるお客さんからの留守電の声。

炉開きの枝を小さな花器の中の小さな剣山に挿し、仏壇にそなえた。
[2005/11/05 19:34] 庭にて | コメント(0) | トラックバック(0)






影】
朝夕に長い影ができる。
なんだか嬉しくなって影ばかり写している。
kage1


こんなのやこんなのばかりだけども。
kage2


しごとの合間にも。
kage3


こうしてみると影ってぇのは切り取りものなんだなぁ。

kage4


年間管理している化学会社のエントランス部分。

1615

[2005/11/04 17:45] 庭にて | コメント(0) | トラックバック(0)






茶の花】
先週から市内での仕事が続いていて、なんといっても朝が楽だ。
朝から松に手を入れる。
この街では一人で仕事することが多い。
かつては都内から誰か彼かが手伝いに来てくれたが、忙しい時期ということもあるし、この街の庭の手入れでは一人ですることも多い。

市内の住宅地の一角の数軒の手入れを続けている。
道行く人、道行く車があるたびに三脚から降りたり、ペコリと頭をさげたり、同業者であったら手をあげたり。

夕方には一通りの手入れを終える。

この家の庭の手入れの代金はいくら請求していたっけ・・と請求書を書く段になって迷ってしまった。

家の人は今日は皆さん出払っていていない。
縁側に腰掛けて、住宅街のはずれにある工場の殺風景な建物の影に落ちた夕日を見ながら、請求書を膝にのせたまま、空中散歩のような気分になってしまった。

庭のすみのマキの木のしたに目をやると茶の花。

tya1102.jpg

[2005/11/02 17:33] 庭にて | コメント(0) | トラックバック(0)












| ホーム |

skin by Dreamy